DNS/IPアドレスのリークと聞いてもよく分からない人が多いとおもいますので、DNS・IPアドレスについて説明と対策を紹介します。
DNSってなに?
DNSはホスト名からIPアドレスを引き出せるようにする、インターネットする上で最も重要な機能のひとつです。
DNSはいわば電話帳のようなもので、DNSがある事によって私たちはWebサイト名さえ憶えておけばIPを知らなくて済みます。
たとえばGoogleのトップページを検索するのをあなたのコンピュータ(PC、スマホ)を例にすると、次のようにしてhttps://www.google.comのIPアドレスを調べています。
手順1 コンピュータに設定されているキャッシュサーバへGooglのトップページを問い合わせをします。
手順2 キャッシュサーバにGooglのトップページの情報があればIPアドレスを返します。
手順3 キャッシュサーバがルートサーバへGooglのトップページについて問い合わせをします。
手順4 キャッシュサーバはルートサーバから.comを管轄するDNSサーバの情報を受け取ります。
手順5 キャッシュサーバが.comを管轄するDNSサーバへ問い合わせをします。
手順6 キャッシュサーバは.comを管轄するサーバからgoogle.comを管理しているDNSサーバの情報を受け取ります。
手順7 キャッシュサーバがgoogle.comを管理しているDNSサーバに問い合わせをします。
DNSで問い合わせの際、手順1の問い合わせでプロバイダが提供するDNSサーバーを使用しているとDNSリークによりプライバシーを侵害される可能性があります。
DNSリークってなに?
DNSサーバを管理する組織(ISP・プロバイダ)がいつ・だれが・どのホストを問い合わせたのかをすべてログに記録し保持しています。
その関係上、ログの保持期間が長ければ長いほど、DNSリークによる危険性が大きくなります。
DNSリークというのは、DNSサーバを検査する事によってDNSトラフィックを監視したりフィルタリングする行為の事です。
2019年頃にISP(プロバイダ)が「漫画村」を接続できないようにするという話がでましたが、これはまさにISPがDNSトラフィックを監視して漫画村のIPアドレスを調べられないようにすることでした。
このようにDNSリークというのはISP(プロバイダ)などがDNSトラフィックを監視、保持、フィルタリングする事です。
DNSリークによって匿名性弱体する?
ISP(プロバイダ)は保持しているDNS問い合わせ情報の記録を外部からの要請により開示する場合が事があります(開示請求など)。
あなたがgoogle.comをDNSで問い合わせると、あなたのISPとgoogle.comを管理しているDNSサーバにDNS問い合わせの記録(ログ)が残ります。
google.comを管理しているDNSサーバにはあなたのISPのキャッシュサーバからDNSクエリが送信された記録が残りますから、ISPの記録と照合する事によって個人の特定をすることができてしまいます。
これはVPN接続をしていても同じで、DNSリーク対策をしていないVPNサービスを利用した場合はgoogle.comを管理しているDNSサーバにあなたのISPのキャッシュサーバからDNSクエリが送信された記録が残るので、WEBサーバに記録されているIPアドレスはVPNサービス事業者のものだとしても本当の接続元IPアドレスを特定する事ができます。
これがDNSリークが匿名性を弱体化させる理由になっています。
IPアドレスってなに?
IPアドレスは、スマホやPCなど、ネットワーク上の機器に割り当てられるインターネット上の住所のような物です。
インターネットでページを閲覧したり、メールの送受信を行うには、データの送信元や送信先を識別しなくてはいけませんが、この識別に使われる番号がIPアドレスです。
ネットワーク上でデータを送受信する際、通信相手を指定するために使われています。
グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスの違いを説明します。
グローバルIPアドレスとは
全世界で通用するアドレスで、世界中どこからでもデータ送受信の際に送り間違えのないよう、世界にただひとつ、インターネットに接続する際に割り振られるIPアドレスです。
ICANNという組織によって世界的に管理 されており、ICANNから日本の管理組織であるJPNICに割り振られ、そこからプロバイダを経由して利用ユーザーへと割り振られています。
そのため、プロバイダと契約すると、プロバイダに割り当てられたIPアドレスのなかからPCやルーターが接続した際に通信が重複しないよう割り振られるため、同じグローバルIPアドレスが存在することはありません。
また、グローバルIPは、下記のサイトで簡単に調べることが出来ます。
プライベートIPアドレスとは
自宅・会社など特定範囲内のネットワークで用いられるIPアドレスのことで、ローカルIPアドレスとも呼ばれるものです。
グローバルIPアドレスとは違い、そのネットワーク内で識別できれば良いので、ほかのネットワークでは同じ番号が使われている可能性があります。
ちなみに、このプライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスはそれぞれ番号の割り当て範囲が決まっており、どちらのIPアドレスか判別することができます。
IPアドレスリークってなに?
IPアドレスリークといっても流出などではなく、基本的にIPアドレスは自動的に公開されています。
IPアドレスは、インターネット上での活動中に自動的に公開される情報であり、特定のサイトやサービスがユーザーのIPアドレスを記録するためです。 インターネット上で何かを行うたびに、デバイスはIPアドレスを使用して他のデバイスと通信する事になります。
上記の通り基本的には公開されている物であり、特殊な機器などが無くてもゲームで遊んだり、Webサイトなどで書き込んだだけで追うことができるものです。
IPアドレスリークによって匿名性弱体する?
基本的にはIPアドレスから詳細な住所や個人情報は特定できません。
上記のDNSなどと違って個人特定に繋がるリスクはだいぶ低いと思います。
IPアドレスは、ICANNと呼ばれる世界規模の組織によって管理されています。
ICANNから、日本の管理組織であるJPNICにIPアドレスが割り振られ、そのあと事業者(プロバイダなど)に割り振られています。
ICANNではIPアドレスの割当表を公開しているため、その割当表と照合すれば、国の特定は可能ですし都道府県や事業者の情報を調べる事も可能です。
事実アクセスするだけでIPアドレスと日本なら県や市ぐらいまでなら調べられるサイトも存在します。
しかし、ICANNが公開するIPアドレスの割当表は高頻度で更新されているうえに、個人情報は事業者によって保護されています。したがって、住所や個人情報をIPアドレスから特定するのはかなり難しいと考えて大丈夫だと思います。
しかし、市を特定した上で、他の情報(SNSなど)を組み合わせて行けば個人特定でき無い訳ではないので注意しましょう。
対策
DNS/IPアドレスのリークの対策において一番わかりやすいいのが、VPN接続サービスを利用することです。
ただし、使用するVPN接続サービスに必ずノーログVPNである事と、機能として漏洩対策があるサービスを利用しましょう。
まとめ
まとめとしては、DNSリークはいつ・だれが・どのホストを問い合わせたのかをすべてログを確認出来てしまう為、これで個人を特定できる情報になるので注意が必要です。
IPアドレスリークはそれ単体で個人を把握できない為、危険性は低いが他の情報などと合わせると個人に近づける情報にはなりうるのでそちらにも注意が必要です。
対策としては、VPN接続のサービスを使いましょう。
特にノーログポリシーである事と、機能として漏洩対策がある物にしましょう。
また、今回の内容を踏まえてMillenVPN専用アプリを使用してのDNS漏洩防止についてに書かれている記事がありますので、ここにリンクを置いときます。
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